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編集部
それでも、あの7匹のキャラクターは全員キャラが立っていましたね。どのキャラが欠けてしまってもダメだったと思います。
やはりビジュアルに強烈なインパクトがあったからでしょうね。
シルエットだけでも、どのキャラかがわかるというのはスゴイ事ですよね。
キャラクターの特徴の一つでもあるシッポについてですが、本編中でも『シッポを立てろ!』『シッポに恥ずかしい』など、シッポが大きく扱われています。そういう設定が決まった上で、あの印象的なシッポをデザインされたのですか?

椛島さん
最初に出崎さんが描いたキャラクターは普通のネズミのシッポだったんですよ。
『シッポをたてろ!』という設定は出アさんから出たアイディアだったと思いますね。

編集部
『シッポを立てろ!』とみんながポーズを決めている時に、ガクシャが一生懸命お尻を持ち上げてシッポをピクピクさせていたシーンがとても印象的なのですが、どうしてガクシャのシッポだけ、短くされたんですか?
遊び心からだったのでしょうか?

椛島さん
そうだったと思います。
シッポがないのが1匹くらいいてもいいんじゃないか…という、確か僕のアイディアだったんじゃないかな??

編集部
色もキャラクターの特徴の一つになっていますよね。

椛島さん
今は色指定という特殊なセクションがありますが、あの当時は美術監督が色は全て決めていたんですよ。
美術監督というと今は背景専門というイメージがありますが、当時の美術監督というのは画面上の色の計算を全てやっていたんです。
だから、色に関しての注文は僕からは一切していませんね。
たぶん、出アさんと小林七郎さんとで話し合ったんだと思います。
やっぱり出アさんの発想はすごいなと思うのは、常識的な事にとらわれないんですよね。画面の色彩設定にしてもそう。本当にすごいと思いました。
ガンバにはくすんだ色がないんですよね。あれは素晴らしいですね。くすんだ色というのは日本人好みなんですよね。
でも、ガンバの場合は赤と黄色を同時に使ったり、あれは小林七郎さんの凄さだと思います。
僕は『イエローサブマリン』を見た時に、物凄い衝撃を受けたんですよ。あの色使いはとうてい日本人には受け入れられないと思いました。
あんなに原色をつかって、あれだけ素晴らしいものが出来るのかと感動しました。
中間色を使うとどうしても無難にまとまってしまって、つまらないですよね。

編集部
『ガンバの冒険』のエピソードですごく印象的なもので、『モーモー作戦』の回、ガンバ達が一生懸命絵を描くんですが、あの絵のキャラはその為に起こされたものなのですか?

椛島さん
う〜ん。あれには色々ありましてね…(笑)。
スタッフルームでみんなで描いたんですよ。わざと下手に描いたり、左手で描いたり、でも、やっぱり子どもの描いたものとは違っていました。
そんな中で、当時の演出家のメンバーで竹内啓雄さんが描いた絵について、みんなで『あぁ、これだ!!』という意見になって決まりましたね。
その後、しばらく竹内さんと仕事をする機会はなかったんですが、マッドハウスの仕事で彼のコンテを見た時はあまりの上手さにビックリしましたね。レイアウトもしっかり取っていて、『モーモー作戦』の印象は吹き飛びましたよ(笑)。

編集部
椛島さんの歴史の中で、やはり『ガンバの冒険』は思い入れのある作品なのでしょうか?

椛島さん
そうですね。やっぱり出アさんの絵が衝撃的でしたからね。
たぶん、ガンバをやっていなかったら、今頃は廃業していたと思います。そのくらい発想の転換が出来ました。
キャラクターをつくる考えが変わりましたね。これだけは人に負けたくないという気持ちになりました。
キャラクターっていうのは見ただけで性格がわかるものでなけれないけないと思いますからね。
今回のキャラではイダテンは見ただけで性格はわかる感じに出来ていると思います。
ただ…やっぱりジャンプはつらかったですね…(笑)。あまりに困って、最後は羽をつけようかと思いましたよ…(笑)。実際に描いてもみたんですが、ネズミじゃなくなってしまいますからね。

編集部
今回の新キャラも含め全16匹を並べてみると、あまり違和感を感じませんでした。
意外だったと言うと失礼ですが、やはり驚きはありました。

椛島さん
それはですね、テクニックがあるんですよ…(笑)。
キャラクターの部分々々を微妙に修正したりしていますから。
だけど、本当はそれではつまらないんだと思います。やっぱり自分が描いて、最初に『これだぁ!!』と思ったキャラクターが1番ですからね。それが、だんだんと俗化されていき、個性がなくなっていくんですよね。
バランスが良くなっていく代わりに、普通になっていってしまいますから…。

編集部
最初のキャラクターが1番か…。新しくしていけば良いというものではないのですね。キャラクター1つをとってみても、とても奥が深いです…。
とても素敵なお話をありがとうございました。
これからも素敵なキャラクターをつくり続けて下さい!!




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