姿三四郎
強くなるためには自分よりも強い師に弟子入りする必要があると考え、車夫をしながら、高名な柔術家に片端から勝負を挑む「辻投げ」をしていた。熱血漢で、一本気な性格のため、しばしば暴走しては師の矢野に迷惑をかける。だが、矢野のもとで修業を積むうちに、人間的にも成長し、ついには清道館の代表として、警視庁武道大会に出場するまでになる。 |
 |
矢野正五郎
学習院の助教授であると同時に、柔術の近代化を目的とした「柔道」を広めるため、清道館道場を主宰している。一見、ひ弱そうに見えるのだが、「柔よく剛を制す」の柔道の精神の通り、三四郎が対決した柔術家の中では最も強かった。沈着冷静な性格で、弟子たちにも厳しく接しているように見えるが、その心の内には優しい思いやりがあふれている。 |
 |
村井乙美
警視庁武術師範の村井半助の娘。ゴツい父親に似ず、華奢で可憐な乙女。いかにも日本女性らしい、おしとやかで控えめな性格。だが、父の弟子である檜垣に言い寄られても頑として拒絶するなど、芯の強いところも持っている。三四郎に想いを寄せていたが、三四郎が父の試合相手だと知ってからは、どちらを応援するべきかでさんざんに思い悩む。 |
夏目金之助
三四郎の友人。三四郎が働いていた車屋の番頭。本当は東大の学生だが、学費を稼ぐために番頭をしながら、勉学に励んでいる。三四郎が清道館に行ってからも、無鉄砲な三四郎の身を案じ、なにかと面倒を見ている。若き日の夏目漱石がモデルで、金之助は漱石の本名。 |
 |
村井半助
良移心当流の柔術師範。警視庁の武術師範を務めており、柔術家の中では最高位に位置する存在。ゴツい外見とは裏腹に、武術家としての潔さと娘を愛する優しさを兼ね備えている。そのため、弟子でありながら、人間的に歪んでいる檜垣源之助を絶対に認めようとはしない。 |
 |
檜垣源之助
村井の弟子で、良移心当流を代表するのは自分だと自負している。柔術と空手を合わせた独自の技を身につけており、無類の強さを発揮する。だが、冷酷で身勝手な性格のため、村井には後継者として認められていない。村井の娘の乙美に想いを寄せており、乙美が嫌っているのを承知の上で、無理やり自分のものにしようと企む。 |