宮野さん(美術監督)と村上さん(背景チーフ)
宮野隆氏・美術監督作品:
「ルパン三世」TVスペシャルシリーズ 、「地球防衛家族」
「笑ゥせぇるすまん」、「リカちゃん」

★京極作品の仕事の依頼が来た時の気持ちを教えてください。
新しいものを作りたいということで、開発当初は感じたものをイメージボードにしていきました。方向性や新しい映像については制作と何度もやり取りしながら作っていきました。大石プロデューサーの情熱がすごかったことが1番印象に残っています。

★監督、プロデューサーからどんな注文がありましたか?
こんな感じかと思ってやったものに対して「これは違う」という漠然とした答えが返ってきて、少しの妥協も見抜かれてしまう。思い切ってやったものが採用されました。今までにない映像を作るということが漠然としていて、誰も分からないんです。方向を示すのが大石プロデューサーで、その方向に全体を統括する監督、作画、美術、色彩設計が色々探っていって作りました。相談しながら、少しずつ積み上げていって段々感覚を掴んでいったんです。

★美術ボードが多いですよね?
最終的に世界観が決まったボードが作られて、これによって皆が納得しました。その世界は表現がまったく違うので、今まで「あんな風な感じでお願いします」といった打合せが出来ず、各場面、細部まで舞台設定、カラーボードを作らざるを得ませんでした。大変でしたが、手ごたえは感じています。また、スタッフにも感謝しています。どうしてもベテランの方だと、今までの経験から背景はこういうものという概念がありがちです。若手のスタッフはそういうものをふっきってやってくれました。

★舞台の参考にしたものはありますか?

今までの経験で、どうしてもリアルな幕末の江戸を書いてしまう。そこに1番頭を悩ませました。そうやって出来たものは面白くないんです。幕末の江戸を意識しつつ、違うものを作るのが、ものすごく苦労しました。最初の頃は資料や写真をたくさん見ましたが、自分の世界ができるまでは、それが却って邪魔をしていました。最後の方になって大体掴めてきたと思ったら、もう終わりなんですよね。
★お気に入りの背景は?
ブラック(影)の背景かな?こんなに上手くブラックが使えたのは初めてです。最初は本当に大丈夫かなと思いました。スタッフ全員で考えて一つの世界を作ってきて、それがうまくいったという印象です。

★見所を教えてください。
新しい映像です。ブラックを上手く使ってキャラがきれいに動いていると思います。影の部分は描いていない。だけどそれは省略ではないという事ですとにかく見る人にこびない映像で、それを13本やりとげた作品になっていると思います。



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