1月8日放映の2時間スペシャル「集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド」はいかがでしたか?
放映後の”今だから話せる”事を、の小島哲AP(=アシスタント・プロデューサー)に伺いました!


東京ムービーホームページのコナン掲示板では、スペシャルについて放映前後ともに盛り上がっていましたよ。放映終了直後から、続々と反響がありました。

それは嬉しいですね。

視聴率はどうでしたでしょうか?

NTV(関東地区)は17.6%、YTV(関西地区)は22.7%でした。去年(NTV14.6%、YTV16.2%)と比較すると…。

関東圏、関西圏ともに視聴率アップでしたね!

今回は全編デジタル制作ということで、いつもの画面とは印象が違い、戸惑われた視聴者が多かったようです。
賛否両論あるようですが、APとしてはどうお考えですか?デジタルの良さなど、教えていただきたいのですが…。


まず、何といっても「色がきれい」なことですね。発色がいいでしょう。

確かに。セルと比較すると、ダンゼン「明るくて」「鮮やか」ですよね。デジタル制作では、画面がよりきれいに見えるようになるんですね!


ですが、この”色味”を実現するのは、実は大変だったんですよ。

どうしてですか?

デジタル制作では、コンピューター内で作った色味が、パソコンのモニターとTVのモニターでは変わって見えてしまうんです。

それじゃあ、せっかく描いた色が、TVモニターを通すと全然別の色になってしまうということもありますよね。

そうなんです。描き手が出したい色を出すのが難しいんです。
TV画面できれいに見えるためには、予め色味を調整しなければなりません。
チェック用のTVモニターを通して、キャラクター設定の色をひとつひとつ決めていかなければならなかったですね。

ひとつひとつモニターを通して…ですか。大変ですね。

でも、TVモニター上の色が、最終決定版になるわけですから。



なるほど。
でもフィルムでも同じことが言えると聞いたことがありますよ。
例えば、撮影すると実際よりも青味が強く出る種類のものがある、とか。

ええ。フィルムのそういった特色は長年の経験から分かっているので、私達もうまく利用して使ってきました。
が、デジタルの場合は、経験を積んだ”感覚”が無かったので…。



手探り状態、という感じですか。

そうですね。
背景もスキャナーで取り込む時に、部分的になんですが、色味が変わってしまいます。スキャナーによって反応する色が違うせいなんですね。

それでは背景も、色あいをチェックする必要があったと。

ええ。まず、色見本をパソコン上で作り、美術ボードと合わせて、パソコンモニター・TVモニター両方で見てみます。
その時に背景さんには、パソコンモニターとTVモニターとの色の見え方の違いを大体”覚えて”いただいて、その上で描いてもらいました。
※美術ボード:『このシーンの背景は、こんな感じで作りたい』という、シーンの基本になる背景イメージの絵。絵コンテ作業の後に作成。

それはスゴイ…職人技といえますね。
色味のチェックには、随分と時間をかけたんですね。

はい。去年の2時間スペシャルで海をCGで作ったんですが、放映したものは色が暗かったんです。今回は気を遣いました。

今年のは、発色はよかったですよ!その他に、デジタルの良いところは?

デジタルでは映像的に色々とできることが増えます。特殊効果が、フィルムよりも簡単にできるんです。例えば、今回試してみたものに「モーフィング」があります。


ひとつの形から別の形へ変化させる技術ですね。映画「ターミネーター2」で金属の塊が人間の形に変化したりした…。

ええ。今回、前半部分の快斗のマジックで、快斗が新聞をばっと広げるところに使いました。

あ、あれ、そうだったんですか!

色数が無限というのも、デジタル制作のいいところですね。ちょっとこの色は違うと思ったら、数値を変えるだけで簡単に色が変えられます。
今までは絵の具を使っていましたので、色指定さんは色数が足りなくて苦労されていました。でも、いくらでも選択肢があるというのも、大変なわけですが…。

逆の苦労ということですね。

その他にも、編集作業がしやすいという利点もあります。パソコン上で作業するだけで済み、フィルムを実際に切ったり貼ったりする手間が省けるわけですから。

今後、通常のTVシリーズがフルデジタルになるという可能性は?

それはありません。
スペシャルや劇場版では、いかにデジタルを効果的に生かせるかを考えつつ、使っていきたいと思っています。

後半、小五郎がレンタカーを借りるシーンで、レンタカー会社が「TMS」になっていましたね…!?


ああ、あれは演出の佐藤さんのアイデアで(笑)。こんな名前のレンタカー会社もあったりして。

それとも、東京ムービーが他業種に進出してたりして。
他に、視聴者が気づきにくい遊びカットなどあれば…

後半はじめ、小五郎のレンタカーが高速を走ってたでしょう。あの車を追い越していったのは、実はこだま監督のソアラでした。


それは…誰も気づかないでしょう!

黄昏の館に勢ぞろいした探偵達のキャスティングが豪華でしたね。やはり2時間スペシャルということで気合が入ってるのでしょうか?

そーです。キャスティングは青山先生の希望に沿うように、録音監督の小林さんに協力していただきました。

OPが映画のようでカッコイイ、アイキャッチの扉の部分がカッコよくなっている、という書き込みも多かったです。

3Dのアイキャッチは、トムス・フォトの西山君の作です。今年からはこのアイキャッチで行きます!
オープニング、カッコよかったでしょう。佐藤監督に苦労していただきました。


今回のオープニングは番組が始まってから30分以上も経った後だったので、面食らわれた方もいるようですが?

前半はコナンになる前の”新一”の話であって、”コナン”の話は後半からという意味で、後半の方に持っていきました。
コナンの第一話にも、オープニングが無かったでしょう。第一話は、”コナン”になる前の”新一”の話だったので、”コナン”になった第二話で初めてオープニングを入れたんですよ。

TVシリーズの一話二話と同じ意味合いなんですね。
ところで、後半部分、キャラの顔がいつもと違うというメールもいただいたのですが…。

後半の作画監督の方は、いつもは劇場の作画で活躍をされています。普段TVシリーズに関わってはいないので、若干印象は違うかも知れませんね。
でも、私のとても信頼している、すごいアニメーターなんですよ。
今回はスケジュール的に非常にきつく、彼の実力を発揮するだけの時間を作れず、本当に申し訳なく思っております。

スケジュールが迫っていると大変ですよね。
今日はどうもありがとうございました。
今回の小島APへの質問は、皆様の掲示板への書き込みを参考にさせていただきました。たくさんの書き込み、どうもありがとう!

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