10月30日、SHIBUYA BOXXにて「ベイカー街の亡霊」の上映が行われました。上映後、こだま監督によるティーチインが行われたので、一部をご紹介します。

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司会
 『ベイカー街の亡霊』ではシャーロック・ホームズで有名なベイカーストリートが出てきますが、やはり監督にとってシャーロック・ホームズは魅力的ですか?

こだま監督
 そうですね。シャーロック・ホームズは推理物の原点ですし、皆さんが知ってる作品なので、恐かった部分もあったんです。でもアニメ業界に入った時、自分が推理物が好きという事は誰にも言っていなかったので、コナンという作品にめぐりあえた時は、非常に嬉しかったんですよ。

司会
 監督は音に非常に凝られるということですが、凝る理由や工夫されている点などを教えてください。

こだま監督
 音に関しては、ちょっと拘りがあるんです。絵に描いただけの芝居では、キャラクターが何を考えているのかがわかりづらいんですよね。そんな時、キャラクターの心の中を表現するのが音楽なんです。キャラクターが悲しんでいれば悲しい音楽が流れますし、次のシーンへ変わるとき、音楽が変わって軽快な音楽になれば、見ている人達は次は軽快なシーンなんだなと、次のシーンの予想がつくんですよね。見ている人達の心に訴えたい、という所で音楽を多用します。

司会
 大人にも「コナン」は人気がありますよね。

こだま監督
 そうですね。ここまで人気が出るとは予想していなかったんです。少年サンデーで連載されている作品であるということ、読んでいるのは子供が中心、でもアニメを作る時には子供をターゲットにしなかったんです。誰をターゲットにしたかというと、お母さんをターゲットにしたんです。それは何故かというと、この作品は推理物で人が死ぬわけです。そうすると殺人アニメということで、まず誰が拒否反応を示すかというと、お母さんやお父さんなんですよね。特にチャンネル権を持っているお母さんが拒否反応を示さない作品にしなくてはいけない。お母さんが見れば、子供も一緒に見れますから。
 あと、女性や子供が被害者になるということは避けなくてはなりません。わかりやすく言えば水戸黄門的な作り方、あるいは大岡越前的な作り方のように、家族で見て楽しめる作品にしようと。人が死ぬのだけは避けられないので、死ぬシーンはソフトな表現にし、代わりに推理を楽しんでもらおう。
 そこで、一番最初に問題になったのは血の色ですね。見ている人に、これは血だということがわかればいいということで黒くしました。そうすることで、ショッキングなシーンを和らげ、できるだけ推理を楽しんでもらおうという方向にもっていったんです。
 劇場版に関しても、できるだけ大人が日常喋っているような言葉を使い、小学生向けにはしませんでした。ただ、それだけだと子供にはわかりにくいので、推理の謎解きをする時に絵で説明しよう。絵にすれば難しい言葉も子供もわかるだろう。だから回想シーンや謎解きシーンは絵を多用して説明しているんです。ターゲットは大人でも、子供にもわかるように作らなくてはいけませんから。


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