まずはじめに、多くの感想&質問のメールを送って頂き、誠にありがとうございました。100通を憂にこえるメールに驚き、またその内容からみなさん今回の映画も大いに楽しんで見て頂いたようで、スタッフ一同大喜びで、そして感謝しております。
では、絵コンテを見ながら振り返っていきましょう。

★ ファーストカット

今回の映画は「富士山」から物語りが始まります。もちろん見てる方には話が進むにつれ、「富士山」が事件の重要なキーになってくることが分かるわけですから、中々にくいスタートカットだとは思いませんか。
ちなみに今回の話の季節は初春、三月末と絵コンテに設定してあります。
富士山からT・B(トラック・バック)すると見えてくる「阿笠の車」もキャンプの荷物を積んだ特別仕様の為、新設定がおこされました。
そしてこのカット、実はデジタルカットなのです。遠景の富士山と空、流れるふもとの山と近景のビルや建物、さらに背景動画の高速道路とそこを走る阿笠の車と横を追い越すトラックと、かなりの枚数の画を重ねないといけなかったのでデジタルカットになりました。みなさん気がつきましたか?

★ 森谷帝二

コナンファンならご存知の劇場第一作「時計仕掛けの摩天楼」の犯人です。今回ストーリーを作るにあたって、舞台が超高層ビルということでそれなら一作目にリンクさせようというわけで、ビルの場所を「西多摩市」に、設計者を森谷の弟子にして事件の容疑者の一人にしては・・・ということになりました。こんなふうにリンクできるのも劇場版が5作も続いて、世界観が広がったコナンワールドの賜物ですね。

★ 元太「米粒一つ・・・」

この台詞がラストの元太の行動の伏線になっているのは御覧の通りです。こういったところが、脚本の古内さんのうまさですよね。
ちなみに光彦のご飯粒のついた容器のカット、最初のテイクでは米粒と容器の色が似てる為見えずらかったので、色と一部米粒の作画も直しました。

★ 阿笠のクイズ(コナンシネマクイズ)

毎年恒例となったシネマクイズについて「誰が考えているんですか?」という質問を多数頂きました。単刀直入にお答えしますと、脚本の古内さんが考えたものなのですが、第3作目からはよみうりテレビの諏訪プロデューサーの原案というか、アイデアがあってそれをアレンジして作ったそうです。
諏訪プロデューサーといえば、TVシリーズのオープニングアバンタイトルのコメントや新聞に載るサブタイトルのあおり文句なども考えておられます。
さてみなさん、今年のクイズは分かりましたか?

★ 阿笠の鼻歌「♪半ライス、三回よそえばサンライズ、なんちゃって」

こだま監督が阿笠の鼻歌のアドリブ参考として絵コンテに書いていたのですが、AR(アフレコ)のテストで阿笠役の緒方さんがそのまま絵に合わせて歌ったところピッタリ合い、他の役者さんやスタッフに大ウケしたので本番でも採用となりました。某アニメ制作会社との関連は・・・わかりません(笑)。

★ ジンの愛車(ポルシェ356A)のナンバー

「TVシリーズで登場した時と変わっていたのは何故ですか?」との質問ですが、今回劇場用に新しく設定をおこした際に変わってしまったようです。つまりミスですね。決して作為的に変えたわけではありません。今後はこの設定で統一されると思いますが、みなさん細かいところまでよく見てますね。

★ メインタイトル(オープニングCGタイトル)

「タイトルのステンドグラスが割れるところ、すごくカッコよかったです」など多数ご感想頂きました。こちらも恒例になったCGによる「メインタイトル」ですが、担当しているのはコナンの撮影をしている「トムス・フォト」の西山さんです。タイトルロゴとシンボルマークの素材以外は全て西山さんのオリジナルで内容に関してもお任せして作ってもらいました。
実は最初のテストの時は「砂時計」のオブジェのところが「十字架」になっていまして、その十字架までもが砕けるといった内容だったのですが、宗教的な意味合いが出てしまうとの意見から砂時計に変更してもらいました。スケジュール的にも厳しい状況だったのですが、西山さんお疲れ様でした。
それから今回の映画の「シンボルマーク」についても質問がきていたので、ここでお答えしておきましょう。「コナンのシルエットの後ろにある葉っぱは何ですか?」との質問ですが、これは「葉っぱ」では無く、「はね」です。タイトル「天国へのカウントダウン」からイメージした「天使のはね」をデザインしたものです。確かに葉っぱに見えないこともありませんが(笑)。

★ ツインタワービル

日本一高いビルとして、A塔が319m(75階)、B塔が294m(69階)のツインビルとして設定されています。実際の日本一はみなさんご存知の横浜にある「ランドマークタワー」で高さが296mで70階建てです。では世界一はというと、マレーシアはクアラルンプールにある「ペトロナスタワー」で88階建て、高さはなんと452mもあります。実はこのビルもタワー1、2からなるツインビルで、最初のイメージソースはこのビルからきています。(連絡橋も一つですがちゃんと架かっています)映画「エントラップメント」にも登場しているのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。
さて今回のツインタワービルの設定を作るにあたって、まずシナリオ段階で前回の「トロピカルランド」と同じように大まかな見取り図を作りました。それから当時まだ建設中だった有楽町にある東宝の「東京宝塚ビル」に取材へ行きました。工事中ということもあって、そのまま設定の参考になる所は少なかったのですが、日頃見ることのできない屋上や天井裏、電気室などを取材でき、また建築を請け負う「竹中工務店」の方達に高層ビルについていろいろと詳しく教えて頂きました。また、特徴的な「連絡橋」の参考として築地にある「聖路加タワー」、ビル内部の参考にお台場の「フジテレビ本社ビル」や「テレコムセンタービル」などにも行きました。「東京都庁舎」をはじめとする新宿副都心に建つ超高層ビルも見に行きましたね。
こうした取材を元に、美術監督の渋谷さんによって「ツインタワービル」の設定が作りおこされました。実在のビルに負けないものになったと思うのですがいかがでしょうか。

Copyright (C) 2001 TMS ENTERTAINMENT,LTD. All Rights Reserved.