17話のラストシーンで再登場したフェルゼン。彼の登場で三者三様にまた心の中に波が立つことになるアントワネット、オスカル、アンドレの恋模様を。
4年ぶりの再会に、アントワネットの恋心はうち震える。アントワネットへの変わらぬ愛を思い知ったフェルゼンも、だからこそ結婚話のために来仏したと正直にアントワネットに話してしまう。ショックを受けるアントワネット。アントワネットの心中を思うオスカルは、なぜ話したのかとフェルゼンを問い詰める。「愛していると、どうして言える?」と逆に聞き返されて言葉を失うオスカル。オスカル自身、フェルゼンの結婚話に傷ついていたのに、こうまで正面きってアントワネットへの愛の告白を聞いては、まさにダブルショック。アントワネットを敬愛しつつもフェルゼンへの想いを断ち切れないオスカルは、この夜ワインをあおってベッドに倒れ込み、大きなため息をつく。
フェルゼンは、このままアントワネットへの気持ちを封印するつもりでいたが、運命の女神は彼らを放ってはおかなかった。偶然のきっかけから二人はついに愛の奔流を抑えることができなくなる。堰を切ったように逢瀬を重ねているらしい二人の姿が暗示され、やがて二人の恋は宮廷のうわさとなり、パリでも知らぬ人はいないスキャンダルに発展してしまう。
人々のうわさに気をもむオスカル。アントワネットは、ある日フェルゼンとの逢瀬に行けないことを、オスカルに伝言する。罪人のように顔をふせ、肩をふるわせて泣いているアントワネットを見て、なにも言えないオスカルだった。
オスカルの複雑な心中を察しているのはアンドレただひとり。そのアンドレも、オスカルへの愛に苦しんでいる。オスカルがフェルゼンにアントワネットの伝言を伝えた帰り道、降り出した雨にアンドレが迎えに現れ、そっとオスカルの肩にコートをかける。そんなアンドレの優しさにわずかに癒された表情をするオスカルだが、アンドレの真の気持ちには気づいていない。
とにかく、スキャンダルをなんとかしなければ……そんな思いから、舞踏会に初めて正装で現れ、アントワネットと一晩中踊るオスカル。フェルゼンはそんなオスカルに、もし今夜自分が踊っていたらきっと色に出て人々に確信を与えてしまっていただろうと感謝する。なんとかしなければ……そう思っているのは、フェルゼンも同様だった。そしてフェルゼンは宣言する。「今自分にできることは卑怯者になることだ」と。そして「私は逃げるぞ!」と、アントワネットをオスカルに託し、アメリカへ出征していくフェルゼン。突然“イカルスのように”現れ、3人の心に嵐を巻き起こし、疾風のように去っていってしまったフェルゼンだった。“もう一生帰ってくんな!”と突っ込みのひとつも入れたいところだが、それは無粋というものだろう……。
このあと、22話ではフェルゼンの安否を心配するあまり安酒場でヤケ酒をあおるオスカルが描かれる。ついでに大乱闘をやらかし、ボロボロで帰る帰り道、オスカルに肩を貸しながら「女とバレなかっただけもうけもんだぜ!」とあえて明るく言うアンドレがいい。そして「オスカル、俺にはわかる。どんなかっこうをしていようと、間違いなくおまえは女だ……」と心の中でつぶやくアンドレ。原作では、正体を失ったオスカルを抱き抱えて歩きながら、アンドレは思わずオスカルにキスをしてしまうシーンである……。 |