第1話 オスカル!バラの運命 貴族であり、代々将軍を務める武人の家柄のジャルジェ家。14歳になるオスカル・フランソワは、本来ならドレスを着て社交界デビューする年頃だが、息子のいない父親に男として育てられてきた。そして、父の願いがかない、軍人の道がひらかれる。間もなくオーストリアから迎える国王の孫の花嫁、マリー・アントワネットづきの近衛隊長として、華やかな男装の麗人はうってつけと判断されたのだろう。一方オスカル自身は「女のお守りなどしたくありません」と、その発言にはすでに誇り高い武士魂が育っていた。 しかしもう一人の隊長候補、ジェローデルと剣の公開勝負をしなければならないと知り、オスカルは密かにジェローデルに勝負を挑む。それは公式の場で「女に負けた」という不名誉を相手に与えないための心くばりだった。オスカルに負けたジェローデルは自ら隊長を辞退する。 近衛隊長任命の知らせに父は大いに喜ぶが、オスカルは迷っていた。そんなオスカルを見守る幼なじみのアンドレ・グランディエ。使用人の孫ながら、オスカルとは兄弟のような間柄のアンドレは、「今からでも遅くはない。女に戻るなら今だぞ」とオスカルに忠告するが……。 やがて心を定めたオスカルは、花嫁衣装と見まごうばかりの純白の近衛隊長の制服に身を包み、武人として大人への第一歩を踏み出すのだった。
第2話 舞え!オーストリアの蝶 年が明け、アントワネットがフランスにやって来る日。花嫁引き渡し場所のライン川中立地帯には不穏な動きがあった。警戒するオスカルたち。しかし、アントワネットのわがままに付け込んで、まんまと替え玉が仕立て上げられてしまう。異変に気づいたオスカルは、つれ去られようとしているアントワネットを賊と剣を交えて奪回し、事なきを得る。しかし王太子と対面したアントワネットは、失望の色を隠せなかった。
第3話 ベルサイユに火花散る 荘厳な結婚式が執り行われ、14歳のアントワネットはベルサイユ宮殿の華となった。しかし宮殿では、現国王ルイ15世の愛人として、デュ・バリー伯爵婦人が権力をふるっていた。やがて宮殿の婦人たちを巻き込んで、アントワネット対デュ・バリーの対立は激しさを増していく。火の粉はオスカルにも降りかかり、オスカルの母に、アントワネットかデュ・バリー婦人かどちらかの女官として出仕せよ、という命令が下る。
第4話 バラと酒とたくらみと… 宮廷の人気者であるオスカルをデュ・バリー婦人の味方につけようという策略は、オスカルの母がアントワネットの女官となったことで、アントワネットの“一勝”とうわさされていた。そんな宮廷の貴族たちに嫌気がさすオスカル。一方、アントワネットの母、女帝テレジアも、アントワネットを心配してメルシー伯爵を派遣する。しかし無視を続けるアントワネットに対し、デュ・バリーのいらだちはつのる一方だった……。
第5話 高貴さを涙にこめて… デュ・バリーの怒りはついに国王までも動かした。一方、王太子失墜を狙うオルレアン公は、キツネ狩りに乗じて王太子暗殺を計画するが、失敗に終わる。 アントワネットはオスカルの忠告もあって、デュ・バリーと和解することにする。オスカルは「つまらない意地の張り合い」と言うが、アントワネットの心の中には、真に高貴なプライドがあってのことだった。オスカルはその高貴な気質に感服する。
第6話 絹のドレスとボロ服 王太子の結婚から3年の歳月が流れ、一度パリを見たいというアントワネットの希望がかなう。歓迎に沸くパリを下見に訪れたオスカル、アンドレ、ジェローデルは、民衆の貧しさに心を痛める。そんなパリの下町で、ジャンヌとロザリーの姉妹は病気の母親を助けて働いていた。しかし、貧しさに嫌気がさしたジャンヌは、家を飛び出してしまう。一方、王太子夫妻のパレードを、ド・ゲメネ伯の手下が狙っていた……。
第7話 愛の手紙は誰の手で 気弱で地味な王太子は、アントワネットに気おくれして彼女の相手をほとんどしなかった。淋しさと退屈から、アントワネットはおしのびでオペラ座の夜会に出掛けてしまう。そこでパリに滞在中のスウェーデン貴族、フェルゼンと運命の出会いを果たす。その後宮殿を訪れるようになったフェルゼンとアントワネットの仲を利用し、デュ・バリーはにせのラブレターを作ってアントワネットを陥れようと図るが……。
第8話 我が心のオスカル 一介の馬丁に過ぎないアンドレは、幼なじみとはいえオスカルが遠い存在になったように感じていた。そんな折り、アントワネットを乗せた馬が暴走、間一髪オスカルが救出するが、とがを受けてアンドレは死刑を言い渡される。それを命をかけて阻止しようとするオスカル。居合わせたフェルゼンも同調し、アントワネットの命乞いもあってアンドレは無罪放免となる。アンドレはオスカルのために命をかけることを誓う。
第9話 日は沈み日は昇る 国王ルイ15世が天然痘にかかり、死の床についた。動揺するベルサイユ宮。デュ・バリーは自らの地位と存在がかけて、にわかにアントワネットと仲直りしようと画策するが、ベルサイユから追放される。ついに国王は死去、人々は王太子の下に祝福に押し寄せる。弱冠19歳の国王の誕生だった。宮殿内には、ルイ15世の死を心から悼む者はいない……。ひっそりと修道院に送られるデュ・バリーの馬車を見送るオスカルだった。
第10話 美しい悪魔ジャンヌ 新国王の戴冠式が華々しく行われ、アントワネットもフランス王妃となる。国民は地味な国王に期待を寄せる。そんな中、ジャンヌは拾われた貴夫人の元で、貴族としての素養を身につけていた。仕事を探しあぐね、途方に暮れていた妹のロザリーは、たまたま見かけたジャンヌを頼って屋敷を訪れ、追い返される。ジャンヌはさらにのし上がるため、恋人と共謀して屋敷の主人を殺し、その全財産を手にする。
第11話 フェルゼン北国に帰る アントワネットは権力と自由を満喫していた。彼女の推挙でオスカルも近衛連隊長に昇格する。しかし行事をキャンセルしてフェルゼンと会うなどの勝手な振る舞いに貴族の不満が生じ、それを煽るド・ゲメネ伯の存在など、不安材料にも事欠かない。オスカルはアントワネットのため、フェルゼンに祖国に帰るよう忠告する。一方、財布を盗もうとした子供を無残に殺すド・ゲメネに対しオスカルは怒りに身を震わすが……。
第12話 決闘の朝、オスカルは…? フェルゼンがいない淋しさをまぎらわすかのように、アントワネットのぜいたくと我がままはエスカレートし、オスカルは国民の心が離れることを心配する。さらに、貧しい民を虫けらのように扱うド・ゲメネ伯が許せないオスカルは、ついにド・ゲメネと決闘することに。その機に乗じて目障りなオスカルを亡き者にしようと画策するド・ゲメネとオルレアン公。そして決闘を知ったアントワネットも決闘場所に駆けつける! この12話で、オスカルたちは20歳前後にまで成長している。オスカルは民衆の貧しさや貴族のぜいたくに心を痛めつつも、まだ彼女自身貴族の誇りに満ち、王室を重んじる心は少しも揺らいでいない。 一方アントワネットは、きゅうくつな宮廷の暮らしにはなかなか慣れず自由奔放、ルイ16世にほったらかしにされている淋しさもあって、ぜいたくや我がままも止まらない。彼女が大人になるには、まだ時間がかかりそうだ。 またの機会に、13話から24話までを紹介予定。成長したオスカル、アンドレ、そしてアントワネットとフェルゼンが展開する愛と友情、またオスカルの社会正義への目覚めなど、華やかなベルサイユ宮を舞台に繰り広げられる『ベルばら』の世界をお楽しみに!