今月はテレビシリーズの第1話から第13話のストーリーを紹介。ひろみがテニス部に入部、宗方に見いだされて選手となってから、西高テニス部が関東大会で優勝するまでを描く。 軽い気持ちで入部したひろみの心を反映するかのように、出だしの描き方はいかにもステロタイプの少女マンガといった雰囲気がただよう。ひろみを取り巻く状況の変化や京子をはじめとする人物の造形も、分かりやすいとも言えるが、類型的でオーバーアクション。当時の少女マンガの雰囲気と、スポコンものの表現をそのまま受け継いだという感が否めない。 しかし第6話、準決勝でひろみが勝利して選手としての自覚で出てくる頃から、演出にもあるまとまりと落ち着きが出てきたように感じられる。同時に、当初不安定だった動画のクオリティも徐々にアップした。 そして12話、ミステリアスな蘭子が宗方の胸で泣きじゃくり、プライドの高い麗華が宗方に思いのたけをぶちまけ、さらに13話で京子のイジメが収束してから、作品は一気に変化する。「類型」から抜け出し、出崎演出ならではの緊張感と内面描写がストーリーをグングン引っぱり始めるのだ。
第1話・テニス王国のシンデレラ 県立西高等学校1年の岡ひろみは、スタープレイヤー竜崎麗華に憧れて、親友の愛川マキと共にテニス部に入部。麗華、通称お蝶夫人と言葉を交わして喜んだりと、軽いノリでエンジョイしていた。が、新任の鬼コーチ、宗方仁によっていきなり選抜選手に抜擢される。替わりに選にもれた2年の選抜の常連、音羽京子はもちろん、お蝶夫人も抗議するが、宗方は受け入れない。しかし一番驚いているのはひろみ本人だった。
第2話・選手はおまえだ! ひろみに対する京子たちの嫌がらせが始まった。マキとヤケ食いをして気分一新、マイペースでやろうと決心したのもつかの間、京子のリンチにも近いストローク練習にくずおれてしまうひろみ。そんな京子を「見苦しい」ととがめる麗華もまた、どこかひろみによそよそしい。しかし、コートの隅で泣いているひろみに、宗方は「いつか必ずおまえにも分かる時が来る」と言うのみだった……。
第3話・涙の地区予選 京子のイジメでケガをしたひろみは、これ幸いと休部届けを出すが、宗方は許さない。特訓を見守る藤堂や、お蝶夫人にもらったラケットに励まされ、ひろみは徐々に意欲を持ち始める。そして予選当日。体がふるえて控室から出られないひろみに「おまえはボールだけ見てプレーしろ!」と宗方の声が飛ぶ。第1セットはストレート負けしたものの、ふっきれたひろみは第2セットでボールを打ち返せるようになるが……。
第4話・テニスコートの対決 地区予選を足のケイレンで途中棄権してしまったひろみに、周囲の風当たりはますます強くなる。京子はひろみと試合をして勝った方を選手に……と宗方に食い下がる。そして試合は行われることになった。ひろみは、麗華からもらったラケットをなくし、藤堂から借りたラケットで負けを承知で自分のテニスに集中する。そんなひろみに対し、あせる京子はしだいにペースがくずれて、ついに負けてしまう。
第5話・鬼コーチにぶつかれ! 準決勝を前にして、ひろみの特訓は激しさを増していた。ひろみにかかりきりの宗方に対し、部員の不満もつのる。不安なひろみ。そんなひろみをマキは精一杯元気づけるのだった。そして藤堂もまた、ひろみの気持ちを見抜いていた。一緒に部活から帰る藤堂とひろみの姿を目撃した京子は、麗華を呼び出して二人の姿を見せつける。翌日、ひろみの相手を命じられた麗華は、新人を相手についむきになってしまう……。
第6話・ああ!準決勝の日 準決勝で2ポイント続けてゲットしたひろみは自信を持ち、接戦ながらもリードを維持する。あせった敵は自滅していき、ついにひろみは勝利を手にする。一方京子は、決勝戦に向けた宗方の戦略メモを決勝戦の相手、加賀高の緑川蘭子にリークしようとするが、蘭子は取り合わない。テニスショップで偶然藤堂に出会ったひろみはその夜ウキウキと壁打ちに出掛けるが、そこで見たのは蘭子の強烈なスマッシュだった。
第7話・弾丸サーブお蘭! 地区大会決勝戦。ひろみの相手はなんと超高校級殺人スマッシュの持ち主で麗華のライバルと見なされている蘭子だった。振り回され手も足も出ないひろみは、テニスの怖さと孤独感をかみしめる。西高は3対2で勝ち進むが、うちひしがれるひろみ。そんなひろみを宗方は「誰でも怖い。自信をつけるのは練習のみ」とさとすのだった。ふっ切れたひろみは練習にファイトを燃やすが、そんな中、麗華が負傷してしまう。
第8話・赤いバラの挑戦 麗華の負傷により、ついに宗方をつるし上げる臨時部会が開かれる。京子の発案で明日麗華が休んだら全員退部する、と宗方は言い渡される。その夜、ひろみは心配のあまり花束を持って麗華を訪ねるが、門の前に花束を置いて帰ってしまう。花束のメッセージカードを読み、ひろみを可愛く思う麗華。翌日、勝ち誇ったように部室に来た京子は、ケガをおして現れた麗華を見る。その手には京子が隠したラケットが……。
第9話・白熱のマッチポイント! 県大会個人戦のひろみの対戦相手は、異例のことながら麗華に決定する。逃げ腰のひろみの背中を押したのは、蘭子の「先輩も後輩もない」という言葉だった。ひろみを励ます宗方を見ながら、麗華の心境も複雑だった。そして試合。ひろみは次第にペースをつかみ、ついに本気になった麗華の決め球まで打ち返してしまう。藤堂はじめギャラリーもひろみの成長ぶりに目を見張るが、麗華はひろみを脅威に感じ始める。
第10話・涙の退部とどけ テニス連盟の理事である麗華の父を宗方が訪れた。そこで麗華は、有望な高校生を強化選手として育てる連盟の計画と、特例としてひろみを加えたい、という宗方の意向を耳にする。練習で藤堂を相手に打ち合うひろみに対し、宗方ばかりか藤堂まで独り占めする……と周囲が陰口を言う中、麗華はついにひろみに言い渡す。私とテニス、どちらかを選べ、と。そしてテニスを諦める決心をするひろみだったが……。
第11話・恐怖のスピンドライブ! テニス部に戻って来たひろみに、麗華の視線は冷たい。しかし、好きなテニスができることの方が今のひろみには大切だった。麗華のスピンドライブに悪戦苦闘するひろみに、宗方は厳しい練習を課すだけで放っておく。そして団体戦の決勝、ひろみの相手は県下一のスピンドライブの持ち主だった。スピンドライブを打ち返すコツをつかんだひろみだが、そのツケは足に来ていた。第2セット、ひろみの動きは鈍い……。
第12話・決戦!お蝶対お蘭 ひろみは県大会団体戦の決勝戦に辛勝し、一躍学校の話題の人になる。しかし麗華は気が立っていた。個人戦の決勝は麗華対蘭子だった。“打倒お蝶夫人"に執念を燃やす蘭子に、麗華は苦戦を強いられる。しかし思わぬアクシデントで手をケガした蘭子は、試合の途中棄権を余儀なくされる。そして宗方の胸に顔を埋めて泣きじゃくる蘭子!? 蘭子を優しくねぎらう宗方の姿に、ついに麗華が思いのたけをぶちまける。
第13話・すき!すき!すき!藤堂さん 京子が腕の痛みを訴えて病院に運ばれる。医師は宗方に京子の選手生命が絶たれたこと、京子はそれを以前から知っていたことを告げる。県大会祝勝会の席上、ジュニア強化チームのメンバーが発表された。宗方はスピーチで、自分自身のために燃えろ、と話す。それは京子に向けた言葉でもあった。一方、関東大会でひろみとダブルスを組むように言われた麗華は宗方に抗議する。そんな麗華の姿にひろみは涙するが……。