11月21日、WOWOW本社にて「パタパタ飛行船の冒険」の製作発表会が行われました。
WOWOW開局10周年記念番組、HDTV(高精細度テレビジョン・デジタルハイビジョン)での日韓共同製作作品と話題性もあって、会場はアニメ誌を中心とした各メディアでいっぱいに!
熱気溢れる発表会の模様をレポートします。
左から加藤俊三氏(トムス・エンタテインメント 副社長)、田平氏(セガ)、小暮英麻さん(主人公 ジェーン役声優)、矢野雄一郎監督(「パタパタ飛行船の冒険」監督)、竹内孝次氏(テレコム・アニメーションフィルム プロデューサー)、鈴木氏(WOWOWアニメ事業開発部 プロデューサー)
李社長(韓国・KOKO ENTERPRIZE CO.,LTD)

●李社長:
TMS・テレコムとの、日韓の本格的な共同製作を嬉しく思います。
韓国での放送開始は、来年4月頃に決定致しました。
TMSとテレコムとは長く仕事をしておりますが、製作だけでなく、マーチャンダイジングビジネス、コンテンツマーケティングで成功させたいと考えております。

矢野雄一郎監督(「パタパタ飛行船の冒険」監督)

●矢野監督:
この作品の時代は、100年以上前の19世紀末、産業革命の頃です。
この時代には人間はまだ空を飛べなかったのですが、主人公・ジェーンは、兄のジョージに影響を受け、空を自由に飛びたいという夢を抱いて成長します。彼女は、名門・バクストン家に生まれ育った少女で、ジェーンの成長後、数々の不幸がバクストン家に起こります。
物語の核になる「浮遊泉」という空気より軽い液体がありまして、それを求めて兄のジョージが旅立ちます。後に、彼は失踪したという情報が伝わってくるのですが、ジェーンは信じず、ジョージが生きていることを信じて、その足跡を追って旅立つというのがあらすじです。

みどころとしては、ジェーンが行く先々で関わる人たちとの人間ドラマ、あと、その先で遭遇する奇抜なメカの数々です。また、毎回少しずつ謎が解き明かされていくところ。ジョージの足跡を追っていって、スゴイ謎が最後に待っているんです。
興味をそそる展開が待っていますので、よろしくお願いします。

小暮英麻さん(主人公 ジェーン役声優)

●小暮氏:
ジェーンというキャラクターをいただいた時、名門バクストン家のお嬢様ということで、どういう風に演じようかと考えていました。
実際、アニメーションで動いているのを見た時に、元気でおてんばで、それまで自分が考えていたジェーンとは少し違うように思いましたが、逆に彼女の気が強い部分が共感できて、素直に演じられていると思います。

演じるにあたっては、この作品はアニメーションなんですが絵のタッチがナチュラルなので、アニメ過ぎる演技にならないように、素直に表現するように気をつけています。

鈴木氏(WOWOWアニメ事業開発部 プロデューサー)

●鈴木氏:
WOWOWは開局してから10周年になりますが、1998年の新作アニメーションシリーズ「ブレンパワード」以来、オリジナルアニメに取り組んで参りました。今年アニメーション事業開発部が発足し、「パタパタ飛行船」で3作目のオリジナルアニメとなります。
HDTV制作といった意味でも、「ソウルテイカー」「星界の戦旗2」に続いて、完全HDTV制作としては3作目に数えられます。
これまでの作品はアニメファン向けが多かったのですが、この作品をきっかけに、より多くの方の心に届く、裾野の広い作品を作りたいと思っております。

また、放送だけでなく、データ放送との連動も企画しておりまして、「じゃんけん体操」という短いゲームのコーナーを設けました。これは、毎週の話数終了後のジャンケンゲームですが、視聴者の方がリモコンを使ってテレビ画面とジャンケンをしていただいて、抽選で番組のオリジナルグッズをプレゼントするというものです。

竹内孝次氏(テレコム・アニメーションフィルム プロデューサー)

●竹内氏:
作りたかったものは、胸を躍らせるような冒険活劇です。"胸を躍らせるような"というのは健康な作品ということ。子供達が見られるもの、子供達と一緒に見られるものを作りたいと思い、企画しました。

加藤俊三氏(トムス・エンタテインメント 副社長)

●加藤氏:
TMSは、80年代、イタリアのRAITVと組んで「名探偵ホームズ」を製作するなど、ヨーロッパを中心にCo-Production(共同製作)をして参りました。
その間に超えられなかった壁は、ヨーロッパとアジアの物の考え方の違い、文化の違いです。ヨーロッパでヒットする作品が出来てもアジアでは出来ないというジレンマに陥りつつも、オリジナルのTVシリーズを作っていましたが、共同製作の限界を感じていました。
そこで、東洋の中での一つのコンセプトを作るべきと思い、テレコムが企画していた「パタパタ飛行船」を、10年以上前から仕事を通じてお付き合いのある韓国の制作会社、ココ・エンタープライズとCo-Proすることに致しました。
今後、韓国では全ての販売活動をココが、それ以外の地域ではTMSが販売活動をする予定です。
この映像が3DCGを駆使し、HDTVであることを中心に、大々的にプレゼンテーションを行います。
21世紀にふさわしい、ファミリー作品を展開していけることと思っております。

田平氏(セガ)

●田平氏:
セガが開発した3DCGの新技術である「アニマニウム」というソフトを、今回使って頂いております。
アニメーションの命は動きをつけることですが、3DCGアニメは動きを付けることに、非常な労力と時間を要します。
セガは普段ゲームで同じような問題に直面しておりましたので、楽な動きの付け方を研究し、ノウハウとして蓄積して参りました。今後、要素技術として、アニメ業界の方にご提案していきたいと思っております。
具体的な使い方としては、3Dで基本となるポーズを決めていただければ、その間はコンピュータが、自動的に動きを付けていってくれます。ソフト技術の知識がない方でも、動きのセンスがある方なら、楽に動きを付けられるのが特徴です。
目的はコストダウンですが、同じ物を作るためには早く安く作れる、同じコストであれば時間短縮により、より豊かな作業が出来る。3DCGは人の手では動きが付けにくいので、こういった部分に使って、アニメーション自体のの価値を高めて欲しいと思っています。


●海外作品の経験を、どのように生かしたか?

竹内氏:
海外は各国にテレビコードがありますが、日本のは甘いですね。
今回は子供が見ても大人が見てもちゃんと見れる映像であって、かつ、世界のどこのテレビコードでもクリアできる自信を持って作っております。色気がないとか暴力がないとかじゃなくて、例えば暴力に対して登場人物達がどう対応するかというエピソードもあるんですが、やたらと人が死んだりとか血が出たりする映像は無くても、その表現できていると思っています。


●「アニマニウム」を制作側はどう受け止めているか?

竹内氏:
まず、同じ結果を得るときにコストが安く時間が短いので良いというのがあります。

この作品には3Dの機械類が作品にたくさん出て来るんですが、3Dの機械類とキャラクターを連動させて動かすというのは結構難しいんです。それは、実写とアニメを合成するのと同じような技術ですから。
今回は、「アニマニウム」を完成素材としてではなく下素材として使っています。始め、3Dのメカとそこに乗っているキャラクターを動かして、3Dのを骨格を作ります。アニメーターが自分達が気持ちいいと思うようなキャラクター、あるいはキャラクターの動きにして、最終的には2Dで表現するんです。
最終的に「アニマニウム」が前面に出るという事は、「パタパタ飛行船」ではありませんが、3Dのメカとキャラクターがよく動いているなと思って頂けたなら、それは「アニマニウム」のお陰です。


●HDTV制作のメリットは?

竹内氏:
今までの規格の約6倍位の画素数で作っています。実際には描く紙が大きくなっているのではないですが、今までのセルの感覚では、テレビサイズの6倍の紙を使っているという発想になります。
今回は「アニマニウム」のほかに、コンピュータの中に直接絵を描くソフト「ペンシルマン」も使っているので、細かいところまで描き込めます。ズームアップでカメラが寄っても、反対に引いてもブレない工夫ができました。

また、HDTVは、NTSC(日本などで標準のテレビ方式)とPAL(ヨーロッパなどで標準のテレビ方式)の両方に変換することが出来ます。どちらの圏内でもよりオリジナルに近い画質で、見ていただけるのがメリットです。


●アフレコの様子は?

小暮氏:
ひとことでいえば、緊張しますね。
私がマイクの前にいる時に、他のキャストの方は後ろにいるんですが、ベテラン声優の方も多いので、プレッシャーを感じたこともあります。
なるべく迷惑をかけないようにやっていたんですが、思い切りやれとアドバイスをいただいたので、今では思い切りやっています。


●この作品で伝えていきたいことは?

矢野監督:
ストレートな感情表現といいますか。おおらかさみたいのが、最近あまり見うけられないと思うんですが、作品を見た後にそういう純粋な心になってもらえれば嬉しいです。


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