視聴者の方には分からない部分ですが・・・
「パタパタ飛行船」では、声優さんが声を入れる『アフレコ』の時までに、ほとんど完璧な状態までフィルムを作り終えています。
テレビシリーズのアニメ作品では、毎週放映があるため制作が間に合わず、役者さん方が声を入れる時に、やむなく原画などの不完全な状態で演技をして頂くことが、実はほとんどなのです。
そういった現状の中で、動画まで完成させ、きちんと色をつけるという完全な状態にまで絵作りをしていく制作側のこだわり、それを受けての役者さん方の感想を伺いました。


制作側
「アフレコを絵が無くてやったら、やっぱり役者さんの力の出し方が半減すると思うんです。絵があって、演技があって、面白いんであって。絵を完成させると、役者さんも上乗せして考えてくれるから。アクションを考えてくれたり、アドリブなんかしてくれて。
今日は19話のアフレコをやったんだけど、小形さんの演技が良かったんです。
(編集部注:小形満さんは、ジェーンの飼い犬・スカイの役を演じられています。ちなみに19話のタイトルは『カマレ博士』)
普段は普通の犬なんだけど、表情をつけるところが面白いんです。これは、絵があることによって小形さんの演技がもっとうまく生かされた、ということじゃないのかな。19話はワンカット、スカイが全面に出ているシーンがあって、印象に残りますよ」

―竹内孝次氏(プロデューサー)

声優側
「やっぱり絵での芝居ができるのは嬉しいですね。的確な絵があるから、こちらとしても演技がしやすいです」
―納谷六朗さん(サン・ベラン役)

「『パタパタ飛行船』は、演出も絵も丁寧に作られていて、ち密に構成されている作品です。そして、全てが出来上がった状態で、役者のところに渡されてくるんです。
そういうふうに眉毛ひとつ丁寧に動くモノを見たら、僕らは簡単に声を当ててはいけないと思う。フィルムを作った人たちは、こういう目的でこういう表情にしたというのがあるんだから、その気持ちを汲み取って演技をしないと。絵があるというのは、制作側の意図を読み取るための情報がたくさん隠されているということですからね。
絵を作ってきた人の思いをしっかり受け止めて、僕たちは非常に真摯な気持ちで役をやってます」

―大塚明夫さん(バルザック役)

「スタジオでの緊張感は、自分の中ですごいですよ。それまで雑談とかで和気あいあいとした雰囲気でも、いざ自分のセリフで立った時は怖いです。丁寧に作られた完成された絵があって、ここで自分がぶち壊しちゃったらだめだという、ものすごく強いものがありますから。
制作陣、役者陣、それぞれがそれぞれの分担でよく作られた物が合わさるという、それが『パタパタ』なんですね」

―楠見尚巳さん(マルスネー役)

「我々は声によって芝居を作るんですけど、見本というか基礎となる絵があると、乗れちゃうわけですよ。絵が芝居をしていると、我々はそれをどう表現するか、と、考えますから。
僕のセリフで、「ジャンヌ」って叫ぶところがあるんですけど、最初にアフレコ台本を見た時には分からなかったんですよ。どうしてここで叫ぶのか。でも実際に動いている絵を見たら、『これだ!』と納得しましたね。
台本をもらった時には、ドラマとして理解するんです。で、アフレコの場で絵を見て、自分の考えてきた物と照らし合わせて、膨らましていくんです。でも、絵が無かったら、僕はあんな声は出なかったですね」

―大川透さん(ウィリアム役)


『パタパタ』キャラが生き生きとしているのは、声優さんによるところも多いはず。声優さんの声が各キャラにピッタリ合っているのが、その秘密のようです。
最高のキャスティングをされた、マウスプロ(『パタパタ』声優の所属事務所)の小野氏と、役者さんたちにそれぞれの役作りを伺いました。


「夢中になってやっている時なのに、こういった物にまた会えるかといった不安があるくらい、いい作品です。この作品のために、ベストなキャスティングをしていきたいですね。
個人的には、ジェーンとサブリ役の若い二人の一生懸命さがいいと思っています。
それから、今回のサン・ベラン役、納谷さんはいいですね。いかにも英国紳士といった上品な感じで。
『パタパタ』で、自分のところの役者にも惚れなおしています」

―小野光枝氏(マウスプロモーション代表取締役社長)

「役作りで気をつけているのは、あんまり汚くはならないようにということです。悪い人じゃなくて、どこまでもいい人ですから。彼の中には、ジェーンか研究かしかないのかも知れません(笑)
ジェーン役の小暮さんに対しては、兄としての違和感はないですね。小暮さんの方が少し強いですけど(笑)。確かに弱い感じは、ジョージかも知れませんね(笑)」

―鈴木正和さん(ジョージ役)

「私の老け役の評判がいいんです。サン・ベランは、英国の執事の持つ上品さ、気品を守っていて、そういう点でだと思います。…と、自分で言ってるだけだけど(笑)」
―納谷六朗さん(サン・ベラン役)

「サブリは画面の中いっぱいに豊かに動いているので、やっていて楽しいです。
『パタパタ』を作っているテレコム・アニメーションが制作した『BATMAN the future』の吹き替えでは、テリーの弟役をやっていました。男の子の役は得意な方なので、今回も自由気ままに演じています」

―水間真紀さん(サブリ役)

「ジェーン役は、絵のイメージを大切にして、作りすぎずにナチュラルに演じるように心がけています。彼女は心の素直な少女ですから、その素直さをそのまま率直に出していこうと思っています」
―小暮英麻さん(ジェーン役)

「ケイトは、ジェーンやサン・ベラン達、バクストン家の皆が旅に出た後、ジェーンのお父さんの看病しながら留守を守っているお手伝いさんの役です。
役作りには、実生活での体験が生かされていると思いますね。役の年齢と自分の年齢が近いせいもあるんでしょう。ケイトがやっている家の切り盛りも私も経験のあることですし、物の見方にしてもそうですね。例えばジェーンに対して、お嬢様のことは大切でかわいいと思っていても、時には叱らなければいけないこともあるじゃないですか。
俳優さんというのは、何十年の間に自分の思ったいろんな事が肥やしになるんじゃないのかな」

―谷育子さん(ケイト役)

アフレコは、和気あいあいとした雰囲気で進んでいるようです。それは、毎回立ち合われる竹内氏のおかげであったり、アドリブが最高と言われるスカイ役の小形さんのおかげであったり・・・?

「アフレコはいつも、監督と一緒に聞いています。キャスティングは皆うまくいったんじゃないかな」
―竹内孝次氏(プロデューサー)

「竹内プロデューサーの素敵さというのは、役者に役を任せてくれること。この人の技量と思ったら、大体の指示をポンポンと言って、その後は全部任せてくれるんです。役者による役の広がりというものを信じてくれていて、下駄を預けてくれている」
―小野光枝氏(マウスプロモーション代表取締役社長)

「アフレコでは、スカイが面白いんですよ。スカイは別取りなんですけど、スカイの番は皆で『スカイだよ』って、ワクワクして見ています。いつもアフレコが終わる度に爆笑です(笑)」
―鈴木正和さん(ジョージ役)
 
小暮さん/ジェーン
水間さん/サブリ
納谷さん/サンベラン
大塚さん/バルザック
楠見さん/マルスネー
鈴木さん/ジョージ
大川さん/ウィリアム
谷さん/ケイト
小形さん/スカイ

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