八崎健二(はちざき・けんじ)
1954年生まれ
株式会社テレコム・アニメーションフィルム在籍。



代表作品
○作画監督
1987年「WINNIE THE POOH」
1989年「TINY TOON ADVENTURES」<エミー賞受賞作品>
1989年「THE NEVER TOLD TALES OF PETER PAN」
1989年「LITTLE NEMO」
1991年「BATMAN」
1991年「TINY TOON ADVENTURES : HOW I SPENT MY VACATION」
1992年「ANIMANIACS」<エミー賞受賞作品>
1995年「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」
1996年「SUPERMAN」
1998年「THE NEW BATMAN/SUPERMAN ADVENTURES」<エミー賞受賞作品>
1999年「サイバーシックス」<PULCINELLA AWARDS並びにLEO AWARDS受賞作品>
「ルパン三世」ESSO CM作品

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編集部:
キャラクターはどんなことをイメージされながらデザインされましたか?
こういう面を強調してみようとか、工夫など教えて下さい。

八崎氏:
主人公のジェーンに関しては、どんな場面にも対応できるキャラクターを目指しました。笑いもあれば涙もある作品ですから、どちらの状況にも対処できるようにと考えまして。
だから、あまりにも強烈な個性は出さないように気をつけましたね。

編集部:
キャラクターデザインの方は、やはり視点が違いますね。キャラクターの性格や特徴をいかに表すかだけでなく、そのキャラクターがどうしたらストーリーの中で十分に生かされるのかも考えなくてはいけないんですね。
今回は原作がジュール・ヴェルヌの小説なので、原作絵が無くて苦労されたのではありませんか?

八崎氏:
原作絵というより、設定が定まっていればいいんですけどね。ジェーンの兄で次男にあたるウィリアムは、初めから設定がしっかりしていましたのでそれほど大変では無かったですね。
大変だったのは、長男のジョージとジェーンのお父さんであるエドワード。この二人は中々設定が決まらなくて、話がどう転ぶかが分からなかったんですよ。

編集部:
キャラクターデザインと設定は同時進行だったということですか?

八崎氏:
ええ。ストーリーが変更するたび、描き直しました。
例えば、後にジェーンのよき味方になるサブリという子がいるんですが、ちょっとワイルドでワルい奴なんですよ。最初はもっと素直そうないい子だったんですけど、竹内プロデューサーのイメージが違ったようで。大変貧しい中でたくましく生きている子供ですから、もっと元気がいい感じに直しました。

編集部:
それは大変な作業でしたね。
エドワードとジョージは最初から決定まではどう変わったんでしょうか?

八崎氏:
ジョージは初め、何となくあやしげな雰囲気もあったんですけど、段々いい人になってきました。
エドワードの最初の時のイメージは、悪いのかなっていうのがありましたね。銀行の頭取だし、善良というイメージは湧かなかったです。彼は悪役ではないので少しずつソフトな印象に変えて行ったんですが、悪役顔が後まで引っ張っちゃってるんですよね。(笑)

編集部:
ウィリアムは、バクストン家の中で、際立って背が高くて体格がいいように思えますが?

八崎氏:
彼は、小柄で痩せているというわけにはいかなかったんです。なぜかと言うと…これ以上はストーリーに関わりますので…。

編集部:
教えて下さいよ〜!

編集部:
思い入れのあるキャラはありますか?好きなキャラだとか、自分に似ているとか…。

八崎氏:
バルザックが、割と気に入ってますね。
最初は自分としては『やり手』のイメージがあったんですけど、本当はすごい優しい人なんです。
着せる服なんかでも、格好良さそうのを選びました。コートとか帽子とか。

編集部:
バルザックは軍服ですが、当時の軍服を参考にしながらですか?

八崎氏:
ええ。色とか細かいところでは変えていますけどね。
全体的に、服装のデザインは、当時の実物と比べると本当は違っていたりするんです。
設定は19世紀ですが、例えば当時のスーツ、実際はウエストが締まってたりして、ものすごくタイトだったんですね。襟ぐりはすごく丸くて狭くて、ベルトはあったり無かったりするようですが、裁断自体がウエストをシェイプした形になっているんです。ズボンは今のより短くて、ニッカボッカみたいに靴下の中に入れることもあったようです。(笑)
これをこのままやってしまうと、コミカルですよね。だから、イタリアスーツ風にアレンジしたりしています。

編集部:
忠実にやればいいというものでもないんですね。

八崎氏:
女の人はガードルを付けて、下半身をぎゅっと抑えつけて、その上に広がったスカートをはいてね。アバラ骨を取ることもあったらしいですよ。ガードルを締め付け過ぎて、アバラにヒビが入ることもあった。無茶苦茶だったらしいですよ、その時代は。
帽子は羽飾りを派手にバーッと付けていたらしいですけど、あの当時のそのものを再現することはできなかったです。派手過ぎますからね。

編集部:
キャラクターを拝見していて面白いのは、ジェーンはイギリス貴族風で、サブリは中東というかアジアっぽいですよね。
どの辺の地域をイメージして描かれたんでしょうか。

八崎氏:
厳密にどこというわけではありませんが、ジェーンは冒険をして様々な土地を渡り歩くので、行った先々の国の雰囲気は変えたかったですね。
サブリに関しては、ギリシャ地中海風の物とか、イスタンブール風の物が色々と混ざっていて、最終的にはアラビア風の服になっていきました。もちろんさっき言ったように、そのままではなくて、アレンジを加えましたけどね。

編集部:
アレンジは重要なんですね。

八崎氏:
一目見てどんな物か分かるように描こうと気をつけています。全くそのまま描くと、何なのか分からない物があるんですよ。
例えば砂漠地域での生活って想像できます?砂漠でどんな物で水飲んでたのかとか、何を食べていたのか、木の実かとか。そういった細かい事で、道具や小物は我々が知っている物とは変わってしまいます。それを、ちょっとヨーロッパ風にしたり、普通の物に置き換えたり。ある程度それらしい形をしていないと、分からなくなってしまいますから。

編集部:
いろんな面白い小物があったんでしょうね。

八崎氏:
そうですね。資料で星型に刃のついたナイフを見つけました。どう切るんでしょうか(笑)。真中を持つらしいですけど、どう使うかは分からないですね。

編集部:
楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

八崎氏:
作品中に描かれている"生活"が面白いと思います。
物語の舞台は色んな地域に変わっていきますが、砂船の中だとかもっと後に出て来る都市だとか、いろんな所で人は生活しているというのを見て欲しいです。


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